黒田愛のサイン会…右腕の呼び掛けにドジャース一丸

[ 2011年3月21日 06:00 ]

登板を終え肩のアイシングもせずに笑顔でサインする黒田

オープン戦 ドジャース6―6ブルワーズ

(3月19日 グレンデール)
 多くの日本選手が在籍してきたドジャースも19日(日本時間20日)、東日本大震災の復興支援へ立ち上がった。ブルワーズ戦に先発した黒田博樹投手(36)の呼び掛けに応じ、主力選手も駆け付け試合前にチャリティー・サイン会を開催した。黒田も登板後に参加。大リーグでも、リーグ全体に支援の輪が広がってきている。
【ドジャースのオープン戦日程】

 5回2/3を投げ終えた黒田は、アイシングもせずにサイン会場へ向かった。さまざまな人種のファンが、赤十字が記された白いバケツへ募金を入れていく。首から下げた財布から、くしゃくしゃの紙幣を取り出す少年の姿も。一人一人に丁寧にサインし、記念写真に納まった黒田は「日本は遠く感じるのかなとも思いましたけど、真剣に考えてくれてうれしい。関心を持ってくれてありがたいです」と何度も頭を下げた。

 15日のミーティングで自ら日本の現状をチームメート全員に報告した。その訴えに誰もが心を打たれ、この日のイベントが開催された。「僕自身あまりそういうことを人前で話すことが得意じゃないんですが。選手の気持ちが動いてくれたことがうれしい」。試合前には約1時間、コーチや選手がサイン会を行った。出場予定がなかった主力のイーシアも志願して参加した。

 イーシアは「ニュースで繰り返し見たあの悲惨な光景の中に、仲間の斎藤(現ブルワーズ)の家族がいたのかと思うと胸が痛い」と視線を落とした。斎藤がド軍に在籍していた時は、一緒に食事をするほどの親友。95年の野茂から始まり、石井一、木田、中村紀ら多くの日本選手がドジャーブルーに袖を通してきた。すでに15日にドジャースタジアムで募金活動を行っているが、選手・スタッフも一丸となり復興支援へ協力は惜しまない。

 6回途中まで9安打を浴びながら3失点にまとめ「飛んだところが良かったようなヒットが多かったし。徐々に上げていく」と振り返った黒田。グラウンド内外で、自分に何ができるかを問いかけ全力を尽くしていく。

 ▽大リーグ球団の支援 震災直後の11日にヤンキースが10万ドル(約810万円)を寄付。松坂らが在籍するレッドソックスは14、17日と所属日本人4投手が募金活動を行い、主将のバリテックも志願参加した。松井が在籍するアスレチックスは17日に4月3日(同4日)のマリナーズ戦を支援試合とする計画を、イチローのマリナーズは18日に本拠地開幕6連戦で義援金を募る計画を発表。日本選手に縁の深い球団を中心に、支援の輪が広がっている。

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