練習再開メド立たず…東北部員 ボランティア活動優先

[ 2011年3月16日 06:00 ]

抽選会に参加できなかった東北の座席

第83回センバツ組み合わせ抽選会

 移動のメドが立たずに抽選会を欠席した東北(宮城)の校名は、真っ先にトーナメント表に記された。前日のうちに、1回戦最後の6日目(28日)の第1試合と試合日は決まっていた。そして対戦相手は昨秋東海大会の覇者・大垣日大に決まった。

 「6日目に組んでいただくなどご配慮をありがたく思っていますが、今は野球のことは考えられないのが正直な気持ちです」。五十嵐征彦監督が大会事務局を通じて発表したコメントには、切迫した現地の空気がにじんだ。事務局は負担を避けるため、追加取材の自粛を各メディアに通達。同監督は「きのうやっと寮に電気が通ったが、水は不足し食料もあと何日持つかという状況。本日も選手たちは近くの避難所で給水活動の手伝いをしています」と現地の様子を伝えた。選手は他の生徒と協力してボランティア活動に従事。練習再開のメドも立っていない。

 「今の状況の中でできる限りのことを、勇気を与えられるよう頑張っていきたいと思う」と結んだ五十嵐監督。被災地でも部員は前を向き、ひたむきに活動しているが、その視線の先にまだ甲子園は映っていない。

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2011年3月16日のニュース