斎藤 両親の安否ようやく確認も…被害に心痛

[ 2011年3月13日 06:00 ]

故郷・仙台の地震被害を気遣った斎藤

 米球界にも大地震の衝撃が広がった。宮城県仙台市に実家があるブルワーズの斎藤隆投手(41)は11日(日本時間12日)練習参加を免除され、安否確認に追われた。親類を通じて両親の無事を確認したが、被害の大きさにショックを隠しきれない様子という。また、茨城県大洗町出身のヤンキースの井川慶投手(31)も練習に参加せず、一時帰国する意向を示した。

 早朝にクラブハウスを訪れた斎藤は監督室に向かい、ロン・レネキー監督に状況を説明。球団の配慮で練習参加は免除となり、私服から着替えることなく、そのまま球場を離れた。その後は、宿舎で家族、親類らの安否確認に追われた。

 斎藤は仙台市の出身。出身校も地元の東北と東北福祉大で、両親が暮らす実家は津波による被害が甚大だった若林区にある。球団によると、横浜に住む夫人と愛娘3人とは連絡が取れたが、当初両親とは連絡が取れず、「前夜は一睡もできなかった」(球団広報)という。午後1時ごろに親戚を通じて両親の無事を確認できたが、直接の連絡は取れていない。実家の被害状況なども分かっておらず、テレビで目にした故郷の深刻な被害には心を痛めているという。

 チーム最年長右腕の出身地を襲った災害に、同僚たちも気遣いを見せた。クラブハウスでは被害を伝えるニュース番組が流れ、普段は陽気なメジャーリーガーたちも心配そうな表情でテレビを見入った。斎藤と特に仲が良く、父セシル氏が阪神でプレーした主砲のフィルダーは「僕らは彼を愛している。サイトーには少しでも時間を家族のために使ってほしい。今は野球は二の次だ」とコメント。レッドソックス時代は松坂らと同僚だったコッツェーも、日本人メディアに対し「まだ被害は広がっているのか?」と逆取材していた。

 斎藤は12日(日本時間13日)はチームに再合流する予定。当日はダイヤモンドバックス戦でオープン戦3度目の登板を果たすことになっているが、レネキー監督は「彼次第だけど、無理に登板する必要は全くない」と心配そうに話した。

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2011年3月13日のニュース