「家族の安否確認のため」楽天OP戦は試合途中で終了

[ 2011年3月12日 06:00 ]

<楽・ロ>地震の安否確認のため8回表終了後に試合が打ち切られ、星野監督(右から2人目)ら楽天ナインはベンチ裏へ

オープン戦 楽天1―5ロッテ

(3月11日 明石)
 東北地方太平洋沖地震の影響で11日、仙台を本拠地とする楽天と阪神のオープン戦(明石)が8回表終了時点で打ち切られた。楽天の選手の家族や関係者の安否確認が必要と判断されての緊急決定だった。12日は予定されていた全6試合が中止、さらに13日のヤクルト―楽天戦(神宮)の中止も決定。2軍の教育リーグも15日までの4試合の中止が発表され、プロ野球界にも余波が広がっている。

 地震発生が兵庫県明石市の明石公園第1野球場に伝えられたのは、7回表終了時だった。楽天・米田純球団代表は選手の家族の安否確認のため、ベンチ裏での携帯電話使用を許可するよう審判団に要請し、1度は続行を決めた。だが、7回裏終了時に再び審判団と協議の末、8回表終了での打ち切りを決定。午後3時16分に「選手の家族の安否確認のため試合を終了します」とのアナウンスが流れ、試合は打ち切られた。

 「選手も気が気じゃないだろう。なかなか連絡も取れないみたいだし。(7回以降は)早くアウトになってくれとは思いたくないけど、そっちの方が心配だった」

 星野監督は祈るような表情で足早に球場を後にした。携帯電話で通話しながらバスに乗り込む選手も多く見られ、芦屋市内の宿舎へ移動。地震の影響で移動ができず、宿舎でもう1泊することになり、12日の横浜戦と13日のヤクルト戦の中止も決定。チーム練習も休みとした。

 試合後は球団関係者が手分けして、選手やスタッフの家族の安否確認を行った。Kスタ宮城では右肩痛の牧田ら約10人が練習を行っていたが、揺れを感じたと同時に駐車場へ避難して無事。同球場にも大きな欠損は見当たらないという。最終的に1、2軍の全選手とその家族、地震発生時に仙台市内の球団事務所にいた約80人の球団職員の無事を確認した。しかし、余震が続く仙台は広範囲で停電に陥り、一部で雪も降り続いている。この日の試合に先発した青山は「嫁は大丈夫だったが、電話の向こうで泣きべそをかいていた。試合のことなんて忘れてしまいそう」と硬い表情。選手会長の嶋も「嫁に連絡がつき大丈夫と言っていましたが、心配です」と視線を落とした。身動きが取れず、連絡もままならず、楽天ナインは家族と遠く離れた地で眠れない夜を過ごした。

続きを表示

2011年3月12日のニュース