戸村開幕ローテだ！星野監督「他に誰がおるのや」

＜オ・楽＞５回、打球にグラブを出す楽天の戸村

オープン戦 楽天１―２オリックス

（3月10日 京セラドーム）
　指揮官の言葉が全てだ。７回を内野安打２本の無失点に抑えた楽天・戸村について、星野監督は「収穫は戸村だけ。開幕ローテ？７回をゼロに抑えて他に誰がおるのや」と言葉に力を込めた。

　０９年ドラフト１位の２年目右腕は、マウンドで堂々としていた。カウントが不利になっても慌てず、攻めの投球を展開。４回１死だ。昨季本塁打王・Ｔ―岡田に対して３ボールから２球連続直球でフルカウントにして、最後は真ん中高めの直球で中飛に仕留めた。「腕を振って投げた直球は打たれないと思って、ストライクゾーンに投げた。直球には手応えを感じている」と胸を張った。

　１年目の昨季は４試合で０勝１敗、防御率７・２７と期待を裏切った。右の本格派だが武器のはずの直球に自信が持てず、コーナーを意識するあまりカウントを悪くして１７回１／３で１０与四球。さらに被打率・３７５だった左打者の対策が課題だった。この試合は７回で１四球。後藤、Ｔ―岡田、李スンヨプと並んだ左の中軸を、直球中心で計８打数無安打に封じた。昨オフから投球フォームを固めることに専念。トップの位置が安定して制球もまとまった。体重は昨年の７５キロから７キロ増量。直球に力強さが出たことで、必要以上にコースを狙わなくても打ち取れる自信を得たことが成長だった。

　開幕ローテーションは岩隈、田中、永井、ラズナーが当確。最終テストで満点評価を受けて５番手に滑り込んだ戸村は「アピールしようと思って、いい結果につながってよかった。先発にこだわりもあるし、今年は結果を出したい」。遅れてきた即戦力ドラ１右腕が、ようやくスタートラインに立った。　

　◆戸村　健次（とむら・けんじ）１９８７年（昭６２）１０月２０日、埼玉県生まれの２３歳。立教新座で投手に転向し１年春からベンチ入り。エースとなった２年夏は埼玉大会５回戦に進出。立大では１年春にリーグ戦デビューして通算１０勝を挙げた。０９年ドラフト１位で楽天入り。入団当初は「トムさん」の愛称がついたこともあった。右投げ右打ち。１メートル８５、８２キロ。血液型Ｂ。