絶好調の久保“ぜいたく”「悪いところがないのが不安」

[ 2011年3月11日 06:00 ]

<神・西>寒さをこらえながらマウンドに立つ阪神の久保

オープン戦 阪神1―0西武

(3月10日 甲子園)
 非の打ちどころがない圧巻の内容だった。阪神先発の久保が5回を被安打3の無失点。前日9日、先発して5回を無安打に抑えた能見に続いた。

 オープン戦初登板だった3日のソフトバンク戦(ヤフードーム)から続く自身の無失点イニングを「9」に伸ばした。屋外のマウンドでも抜群の安定感を示した右の大黒柱。開幕投手の有力候補は“ぜいたく”な悩みを口にした。

 「デキとしては前回同様、順調です。ボールのキレ、コントロール、全体的な変化球の精度はある程度イメージ通り。1年通じてこれが続けばいいですが、そういうわけにはいかない。後は調子の悪い時の組み立て方。(今は)悪いところが出てないのが不安。ぜいたくかもしれないですけど」

 唯一の“誤算”はテーマの一つに設定していた飛距離データの収集がさほど進まなかったことくらいか。久保は「ボールのはじき加減を見たかった」と話したが、主軸の中島を投ゴロと二ゴロに、中村には一つ四球を与えたものの、二飛に仕留めるなど、まったく危なげなかった。「前に飛ばなかった。何の収穫もなかった」と笑って振り返ったように、次元の違うコメントも久保らしい。

 初回、中島へ投じた初球と4回に中村へ投じた初球はいずれも97キロのパームボール。打者の反応、統一球による変化球の曲がり、この日の気温…。あらゆる事象を想定してマウンドに上がった。自軍攻撃時は暖かい場所を確保し、指先を丹念にほぐした。「10度を切る日も出てくるでしょうし、その中で思ったところに投げることができたのは良かった」。春先の肌寒い気候も念頭に置いた対策に抜かりはない。25日の神宮へ、今は調整に寸分の狂いも見当たらない。

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2011年3月11日のニュース