松坂、初OP戦“体感”「161キロ出ていた」

[ 2011年3月2日 06:00 ]

<レッドソックス・ツインズ>オープン戦初先発で、納得の投球をみせた松坂

オープン戦 レッドソックス7-6ツインズ

(2月28日 フォートマイヤーズ)
 レッドソックスの松坂大輔投手(30)が28日(日本時間3月1日)のツインズ戦でオープン戦初先発し、2回を1安打1失点。初戦から最速95マイル(約153キロ)を記録し、速球のさらなる進化に自信を深めた。左足は昨季より約3センチ高く上がり、ダイナミックな下半身の動きが体感100マイル(約161キロ)の直球を生み出した。今後はリリースポイントなどミリ単位の調整を進める。公式戦初登板も4月6日(同7日)インディアンス戦に内定した。

 松坂の言葉が全てを物語る。「これだけ球速を感じることができるのは珍しい。100マイル(約161キロ)くらい出ていたんじゃないですか」。右腕に自己最速の156キロも超える体感が残ったほどだ。

 初回2死。クベルの初球はネット裏スカウトのスピードガンで95マイルを記録した。その後、3ボール1ストライクから2球直球を続け、中越えソロを浴びたが「あれは完全にセンターフライ。風です。直球を待っている相手に対して直球で押し込めたし手応えを感じた」と25球中20球を速球で押し、1安打に封じた。

 昨季は9勝6敗に終わったが、下半身主導のフォームには自信をつかんだ。今季はさらに私生活から両足の親指に体重を乗せるなど、重力に反発しようとする力=斥力(せきりょく)を意識することで、投球時に上げる左足が「昨年よりも2、3センチは上がっている感覚がある」と進化した。強い斥力が初動を速めたことで左足が高く上がり、ダイナミックな流れを生む。「今は下半身を大きく使えている」と狙い通りの効果を手にした。

 だが、松坂はさらに先を見ている。「投げる方向が1センチずれただけで、ミットに届く時にはボール1個以上のズレにつながる。下半身を使ってなるべく捕手寄りで球を離す。これも1ミリでも前で離せば、打者の手元で大きな差になる」。ブルペン投球後に、プレートと左足の踏みだし位置の間に立って投球方向を確認したのは、キャンプ2日目の16日だった。1ミリ、1センチのこだわり。貪欲に自分を高められる状態にある。

 松坂の公式戦登板は開幕5戦目、4月6日(同7日)のインディアンス戦に内定した。「ここからさらに上げていかなければいけない。1球も無駄にしたくない」。宿舎に戻っても体のメンテナンスに最近5日間で計10時間以上、費やしている。積み上げてきたものを全てぶつける――。その決意は本物である。

 ≪カットボール試投≫松坂はこの試合で「速くて曲がる」カットボールを試投した。「3球投げたけど、全て握りを変えた」。球速を求めた結果、曲がり幅が小さくなっていた球の改良に着手。「カウントをとりやすく、決め球にもなる僕の大事な球種」と認めるだけに試行錯誤しながらも取り戻す覚悟だ。「まだここで離せば、これぐらい曲がるという感覚が実際と違う」。試合前ブルペンでも、41球中9球を投じた。カート・ヤング投手コーチは「スライダーは曲がりながら下に落ちるから、カットボールは横にすべるのがいい。それを目指している」と説明した。

 ▼バリテック(松坂とバッテリーを組む)速球は素晴らしかった。自分に向かってくる感じが出ていた。制球も良かったし、本塁打も風だった。

 ▼テリー・フランコナ監督 球速も凄く出ていたし、この時期にああいう球が投げられるとはエキサイティングだ。

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2011年3月2日のニュース