久保304球!山口コーチ絶賛“投げる哲学者”

[ 2011年2月23日 06:00 ]

ブルペンで300球を超える力投をみせ、あいさつする久保

 阪神・久保康友投手(30)が22日、高知・安芸キャンプのブルペンで304球の投げ込みを繰り広げた。今キャンプのチーム最多どころか、近年の阪神では例のない球数。隣で180球を投げた能見篤史投手(31)に「アイツどれだけ投げんねん」と言わせた異次元ピッチに、山口投手コーチからはマリナーズ・イチローに例える賛辞まで飛んだ。

 真っさらなブルペンに一番乗りしたはずが、いつまでも投げ終わらない。周囲を見渡せば誰もいなくなっていた。実に1時間15分の熱投。気づけば、久保の球数は304球に達していた。

 「きまぐれですよ。ブルペンに入って球を握った時に、なんとなく投げようと思った」

 300球超の投げ込みにもかかわらず最後まで安定していた投球フォームが、周囲を驚かせた。小気味よいテンポでブルペンにミット音を響かせていた右腕だが、球数を重ねても抜群の制球力は保ったまま。山口投手コーチも右腕エースの調整ぶりに目を細めた。

 「あれだけ投げられるのは体が強くなったということ。フォームも崩れていなかった。2年前までの久保なら、あれだけ投げられてないやろ」

 ここ数年、投球の質の向上を最重要テーマに掲げてムダのないフォームを探求してきた。体幹強化を軸にトレーニングを積み、昨季はチーム最多の14勝をマーク。現在はさらなる高みへ軸足の使い方を模索中だ。「野球のことを追求するのが楽しい」と話している右腕に、山口コーチは独特の言い回しを用いた。

 「今は投げる哲学者になっている。いいピッチャーになった。もう我々の範ちゅうを超えているよ。コメントもイチローみたいになってきたからな。(報道陣の質問も)簡単に“300球投げましたが?”という質問ではアカンやろうな」

 今年初の実戦マウンドとなった20日の紅白戦で24球。21日はブルペンで132球を投げ、この3日で計460球。きょう23日がオフということを割り引いても数の多さは際立つ。ただ「投げるイチロー」からすれば、それもすべて計算しつくされたものなのだろう。

 オープン戦登板は3月に入ってから。開幕を万全の状態で迎えるため、背番号34は緻密な計画のもと調整を進めていく。

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2011年2月23日のニュース