先発転向で変身 剛腕ルーキー大石初球にカーブ

[ 2011年2月21日 06:00 ]

紅白戦の1回無死、大石は斉藤に初球カーブを投げる

西武紅白戦 紅組6-6白組

(南郷)
 初球108キロのカーブ。プロで先発として生きていくための決意表明だった。西武のドラフト1位ルーキー・大石(早大)が紅白戦に初先発。小雨が降る悪天候の中、2回を無安打無失点できっちり結果を出した。

 「多少緊張はあったけどしっかり投げられてよかった。プロはスイングが違う。一つ間違ったらとらえられますね」

 プロ初実戦での記念すべき第1球。最速155キロを誇る剛腕は初回、先頭・斉藤に対してカーブでストライクを取った。早大時代の4年間でわずか1球しか投げていない。昨年11月18日、明治神宮大会決勝の東海大戦で、ロッテにドラフト1位指名された伊志嶺に投じたのみの変化球をあえて選択した。「(捕手の)岳野さんに“初球はカーブで入らせてください”と頼みました。初球を変化球で入る練習をしたかった」と説明した。

 早大時代は不動の守護神。150キロを超える直球とフォークがあれば十分だった。しかしプロでは先発に転向する。ペース配分を考えると、打者の目線を変え、なおもカウントを整えやすいカーブを習得することは自然の流れと言える。初回2死、石井義の初球にも116キロカーブを投じ、ファウルを誘った。

 この日の最速は西武のスピードガンで140キロ。直球で打者5人を料理するなど、勝負球であることに変わりはないが「大学では真っすぐが主体だったけど、これからは変化球を試したい」。直球に自信があるからこそ、今は変化球を磨く時だと感じている。

 菊池との新旧ドラフト1位対決は大石に軍配が上がった。渡辺監督も「あとは変化球の質が上がってくればいい」と先発ローテーション入りに太鼓判を押す。3月2日、巨人とのオープン戦(東京ドーム)では菊池とのリレーが濃厚。大石が全27球中で投じた2球のカーブが、先発としての限りない可能性を予感させる。

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2011年2月21日のニュース