07年“トラ1”高浜、苦手左腕から3安打

[ 2011年2月20日 06:00 ]

紅白戦の7回、高浜は猛打賞となる右中間二塁打(投手・筒井)

阪神紅白戦 紅組3―2白組

(2月19日 安芸)
 阪神の1軍2次キャンプが19日に高知県安芸市でスタートした。さっそく行われた1、2軍合同の紅白戦で存在感を示したのが高卒4年目の高浜卓也内野手(21)。すべて左投手から変化球を打ち分けて3安打を放ち、打撃でアピールに成功した。2軍首脳陣からの強い推薦でチャンスをつかんだ男が一気に1軍帯同を勝ち取る。

 眠れる大器がついに目覚めの時を迎えた。17日までの2軍キャンプで結果を残して勝ち取った紅白戦の「7番・三塁」スタメン。今までにない自信を胸に打席へと歩を進めた高浜のポテンシャルが一気にはじけた。

 2死二塁で迎えた第1打席。白組先発・小嶋の外角117キロのスライダーをジャストミートした。センターへと抜ける適時打で先制点をたたき出すと藤原と対した第2打席はフルカウントから外角チェンジアップをうまくバットに乗せて再びセンターへ運んだ。

 「打てると思ってなかったので。プレッシャーはなかったですけど、びっくりしました。しっかり振っていこうと思ってました」。球場中の視線をクギ付けにした第3打席は筒井から右中間突破の豪快な二塁打を放って“猛打ショー”を締めくくった。電光石火の3安打はいずれも苦手とする左腕から放ったもの。サウスポー攻略をイメージして練習に取り組んだ成果を見せつけた。

 苦難ばかりの3年間だった。07年に高校生ドラフト1位で入団。1年目から、すね、ひざの故障に悩まされ、フルシーズンを戦えた経験はない。昨年の春季キャンプ初日には「僕はまだ野球選手になっていない。ケガでまともにプレーできていない自分を野球選手とは言えません。もう後がない」と漏らした。

 今季は背番号も入団時の「36」から「66」に変更。決死の覚悟で挑むプロ4年目が今、飛躍のきっかけをつかもうとしている。「アピールとかは考えずに僕は野球をやれてる姿を、一生懸命やってる姿をしっかり見せられればいいかなと」。ようやく立ったスタートライン。1軍の舞台にたどり着くまでフルスロットルで駆け抜ける。 

 ▼阪神・和田打撃コーチ 左の変化球をああやって打てるのはいいね。体もやわらかいししっかりしている。もう少し見てみたいというところまできたね。

 ▼中日・佐藤スコアラー 沖縄に行っていたメンバーとそん色ない。(紅白戦で)抜てきされていきなり結果を出すところがすごいし、持っているね。

 ▼横浜・加古記録査定担当 インサイドのボールをさばく能力もあるし、バッティングは非凡なものを感じた。横浜高校出身だし、ウチにいてほしかったです。

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2011年2月20日のニュース