両膝の状態に自信…松井 紅白戦「出たい」

[ 2011年2月20日 06:00 ]

フェニックスの空港に到着した松井(中)は報道陣の質問に答える

 アスレチックスの松井秀喜外野手(36)が18日(日本時間19日)、新天地でのキャンプインに備えてフェニックス入り。24日(同25日)から3日連続で実施される紅白戦に出場したい考えを示した。両膝の状態が良好なことを表しており、2月中の実戦出場はヤンキース在籍時の07年以来4年ぶりで、昨年より約2週間も早い。この日キャンプ地を訪問した父・昌雄さん(68)も、ボブ・ゲレン監督(49)に息子の体調の良さをアピールした。

 予定より4時間遅れて、午後9時にフェニックス空港に到着した松井。ニューヨークからの出発が遅れ、乗り継ぎ便に間に合わないハプニングに巻き込まれた。しかし、疲れた表情を見せるどころか、24日からの紅白戦出場に意欲を見せた。

 「うん、出られる状態だったら出たい。最初はあまり結果を気にせずにやっていきたいと思う」。14日の渡米時には慎重な姿勢を崩さなかった2月中の実戦。心境の変化は、両膝の状態に手応えを感じているからだ。

 07年オフに右膝を手術して以来、過去3年間はキャンプイン直後はフルメニューをこなせず、実戦出場は遅れた。エンゼルスに在籍した昨季は3月9日が初戦。その後も膝の状態を考慮され、首脳陣がオープン戦のノルマに課した60打席に7打席及ばなかった。

 しかし、今季は2年ぶりに国内で打ち込むと、7割程度の力でダッシュや、外野守備を想定した練習にも着手。ニューヨークでも体を動かし、両膝は「単純に比べると(去年より)今の方がいい」と言い切る。バッテリー組のキャンプインは21日(日本時間22日)。メジャーでは紅白戦を行わない球団も多いが、ア軍は24日から3日連続で実施する。「原則、全員出場」を打ち出しているゲレン監督は各選手のコンディションをチェックする狙いがあり、松井にとっても状態の良さをアピールする場となる。

 この日は父親の昌雄さんが、松井の到着よりも早くキャンプ地を訪問。スズキら主力選手とあいさつを交わすと、ゲレン監督とも言葉を交わし「秀喜は今年体調がいいんで、盗塁もできる可能性があるよ」と冗談交じりに猛プッシュした。

 空港にはチームカラーの緑色のセーター姿で登場し「偶然でした」と笑った松井。「やっぱり楽しみ。久しぶりにユニホームを着て野球ができる」。ゴジラにとってプロ19年目の春がいよいよ始まる。

 ≪1年目と同時期≫メジャーに移籍した03年以来、松井の実戦出場が最も早かったのは、1年目の2月24日の紅白戦。2月中の実戦デビューはこの年と05、07年の3度で、05年には第1打席で王建民から右越え本塁打を放った。06年は左膝痛のため、紅白戦を欠場。昨年は右膝手術明けの08年と並び、最も遅い3月9日だった。

 ≪対戦相手に不足なし≫登板予定は未発表ながら、松井が紅白戦で対する投手に不足はない。ア軍は昨季リーグ1位のチーム防御率3・56。カーヒルが18勝、ゴンザレスが15勝を挙げ、11勝のブレーデンは完全試合を達成した。ゲレン監督は「質の高さに加えて若さがある」と、20代半ばが中心の先発陣に目を細める。開幕投手候補のゴンザレスは「互いのことをよく知り、いい競争をしたい」とクラブハウスでも積極的にコミュニケーションを図っていた。

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