5戦3発!中田“広角砲”開幕「7番一塁」グイッ!

[ 2011年2月17日 06:00 ]

<日・神>4回1死、右越えソロを放つ中田

練習試合 日本ハム2-2阪神

(2月16日 名護)
 開幕スタメン当確弾だ!日本ハムの中田翔内野手(21)が16日、阪神との練習試合(名護)に「4番・左翼」で先発出場。4回に右中間への本塁打を放ち、これで実戦に入って5試合で早くも3本目の一発だ。8回には同点の適時打を放つなど、今季から取り組んでいる新打法で3安打2打点。絶好調の怪物が、7番・一塁が有力となる開幕スタメンの座を引き寄せた。

 中田の勢いが止まらない。2点を先行され迎えた4回1死。阪神2番手・鄭凱文(ジェン・カイウン)の2球目、内角低めの直球を軽々と右中間スタンドへ運んだ。

 「軸回転で打とうと思って振りました。内角の球を右方向に飛ばせたのは良かった」。対外試合3試合で3発。福良ヘッド兼打撃コーチも「(開幕スタメンは)近いんちゃうか。その水準には十分来ている」と太鼓判だ。一塁には高橋らライバルがいるが、3月25日西武戦(札幌ドーム)での2年連続開幕スタメンの座をぐっと引き寄せた。

 好調の要因は今季から取り組んでいる新打法だ。両脇を締め、上半身の力を抜いて腰を回転させる。往年の落合博満(現中日監督)を彷彿(ほうふつ)させるフォームに「力任せに打っていた昨年までなら柵は越えていない。球を引きつけられるようになったので内、外をしっかり見分けることができるようになった」と手応え満点。ネット裏のソフトバンク・佐藤スコアラーも「スイングが力強くなって、構えが格好いい。内角の球をあそこに放り込むのはたいしたもの。あれは打ちますよ」と舌を巻いた。

 進化を見せたのは本塁打だけではない。8回2死一、三塁の第4打席。2ボール2ストライクと追い込まれてから4球連続ファウルで粘り9球目に投手強襲の適時打を放った。「前の打者がつないでくれたし、相手のエラーを誘ってでも1点を取りたいと思っていた。粘り強さも見られていると思うのでアピールできたかな。4打席で一番良かった」。梨田監督も「昨年までなら三振していた。ああいう粘りが相手投手にはボディーブローのように効いていくんだよ」と目を細めた。

 キャンプでの中田の1日は長い。全体練習の1時間以上前には、内野での特守がスタート。シート打撃などの際は一塁、左翼と両方の位置で打球を追う。試合に出られるなら、どんな形でもいい。休日も返上。トータルの練習時間の長さはチームでも3本の指に入る。その一方で練習後には連日、30分以上も熱心にファンにサインをする。やんちゃだった怪物は、大きく成長した本物の怪物になろうとしている。

 「まだ“これだ”という感覚はつかめていない。練習も実戦もこれからどんどん上げていきますよ」。浮かれた様子は一切ない。中田の目指す高みは、まだまだ先にある。

 ▼阪神真弓監督 いやあ、しかしいいバッティングをしているよね。難しい球だと思うよ。(本塁打後の)残り2本もね。

 ▼阪神・川崎(4打席目の投手強襲安打) もっと内角を突きたかった。(内角だけでなく)外角もあれだけ拾われると投げる球がなくなる。

 ▼ロッテ・諸積編成担当 いいですね。打ち方、構えが先輩(西岡)とそっくり。追い込まれてからチェンジアップも拾っていたし、放ってはおけないですね。

 ▼楽天・山口スコアラー どの方向にも長打があるし、当たる確率が上がっている。警戒が必要。斎藤の入団がいい刺激になっているのでは。相乗効果でしょう。

 ▼横浜・横山スコアラー ホームランだけじゃなく(4打席目の)内角を攻められた後にチェンジアップを打ったのが素晴らしい。大したもの。

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