斎藤の強い味方!ハムのフライ捕球王 ブレないストライド守備

[ 2011年2月12日 11:59 ]

<日本ハム・名護キャンプ>ストライド走法でボールを追う糸井

キャンプの追球~匠の技~

 佑ちゃんの強い味方だ。09、10年と2年連続ゴールデングラブ賞に輝いた日本ハム・糸井嘉男外野手(29)の驚異的な守備力を独特な走り方が支える。滞空時間の長いストライド走法が目線のブレを防ぎ、誰よりも早い落下地点への到着を可能にする。投手に絶大な信頼を得る糸井の正確で広範囲な守備。それを支える走法にスポットを当てた。

 カモシカのように大きなストライドでグラウンドを駆け回る。フライの捕球数は昨季両リーグ通じて2位。中堅エリアに飛んだ打球は、面白いように糸井のグラブがつかみ取る。その守備力を清水外野守備コーチは「歩幅の大きな走り方が、外野手に適している」と分析した。

 教科書とは違う。地面を大きく蹴る走法は、体の上下動が生まれ、打球を追う目線もブレてしまう。スカウトとして数々の選手を発掘した山田GMも「昔は小さく走った方がいいと言われていた」と証言する。すり足気味の小刻みなステップが推奨されるのは、上下動が少なく済むからだ。

 しかし、糸井は1メートル87の体からスラリと伸びた長い脚を大きく回転させる。それなのに球際も強いのは何故か。清水コーチは糸井の師匠格であるあの名手を例に挙げた。ゴールデングラブ賞に10度輝き、04~06年には日本ハムでもプレーした新庄は、どんな飛球もジャンピングキャッチした。「走っていると打球は揺れるが、ジャンプして空中にいる間は揺れない」。糸井のストライドは滞空時間が長いため、ジャンプと同じ効果をもたらしている。小刻みに走るより、打球が見やすい状態が長く続くという。

 何より、落下地点にいち早く到達できる。もうひとつの代名詞である強肩も、打球に早く追いつき、正確に処理することで生かされる。糸井自身は「守備で心がけているのは力を抜いて集中するだけ」とさらりと言うが、注目ルーキーの斎藤も「守備範囲がものすごく広くて頼もしい」と誇る日本ハムの外野陣。その中心に糸井がいる。

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2011年2月12日のニュース