全項目B評価以上の黒田 松坂「3球目」で平均以下 上原A評価ズラリ

[ 2011年2月10日 07:30 ]

 大リーグ13球団にスカウティング・リポートを提供している「インサイド・エッジ社」(以下イ社)のデータを通じて、日本人投手はどう評価されているか興味深いところだ。

 イ社には、選手の正当な価値を示す「通信簿」が存在する。投手においては、基本的な勝敗、勝防御率ではなく、独自の23項目から総合評価が下される。「Aプラス(最高)」から「F(最低)」まであり、このデータを活用すれば、長所と短所が一目瞭然となる。

 黒田(ドジャース)と松坂(レッドソックス)を、昨季21勝を挙げてサイ・ヤング賞となったハラデー(フィリーズ)と比較してみた。総合評価「Bプラス」の黒田は全23項目でB以上。C以下がないのは完成された投手であることを証明している。特に「Well Hit率(芯に当てられる率)」の・165はハラデーを上回った。6打数で1回しか、強烈な当たりをされていない。

 一方、松坂は総合評価はBマイナス。やはり効率性(少ない球数で仕留める)の項目で厳しいC評価が見られる。興味深いのは、投手有利のカウント項目。2球で2ストライクにする確率は56%でA。しかし、1―1から次の3球目をストライクに取る確率は51%で平均以下のCとなる。ハラデーは同項目が64%でA。3球目で追い込むことができないのが、松坂の弱点といえる。

 上原(オリオールズ)は両リーグ最多の48セーブを挙げたウィルソン(ジャイアンツ)より評価は圧倒的に高かった。20項目で「Aマイナス」以上を獲得。特に投手有利なカウントの項目はA評価がズラリと並んだ。球数制限のある大リーグで重要な点でもある。昨季は故障もあったが、年間通じて同様の活躍となれば、大リーグ球団の評価はさらに高まることになる。

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2011年2月10日のニュース