ブルペン初競演も…斎藤、ダルに迫力負け?!

[ 2011年2月8日 06:00 ]

ブルペンでダルビッシュの隣で投げる斎藤(左) 

 日本ハムのドラフト1位右腕・斎藤佑樹投手(22、早大)が7日の沖縄・名護キャンプで3度目のブルペン投球を行った。ダルビッシュ有投手(24)との豪華な初共演となる33球。快調に投げ込むエース右腕とは対照的に、一度ブルペンを離れ遠投などで微修正してから再びブルペンに戻りさらに16球。変則ブルペンこそ斎藤の真骨頂だった。

 新人には酷なシチュエーションにみえた。エース右腕のダルビッシュと昨季14勝の左腕・武田勝に挟まれ、斎藤がブルペンに立った。まずは33球。隣ではダルビッシュが投じる重い球がミットをはじいた。

 梨田監督も「前方に勝、後ろにダル。気を使って投球のタイミングも合わなかったのだろう」と同情した状況から、黄金ルーキーは突然姿を消した。向かった先はサブグラウンド。ここで18球の遠投をすると再び戻り、ダルビッシュも武田勝もいなくなったブルペンでさらに16球を投げ込んだ。

 「最初は5、6割の力。遠投して体が動くようになったので2度目は7、8割で投げました。これは自分の意向です。本当は遠投で終わる予定だったが、ブルペンでもう1度、いいイメージを感じ取りたかったんです」

 ブルペン投球後の遠投は珍しいが、2度入るのはもっと異例だ。早大時代から取り入れている方法というが、なぜこのタイミングなのか。「きょうは軽く投げてフォームのバランスをチェックしようと考えていた」。ところが力を抜くことを意識するあまり、肩、胸が同時に回転し右打者の外角低めに引っかける投球を連発した。

 これを修正するため、サブグラウンドに移動し、本塁付近でノックする吉井投手コーチの打球を中堅でキャッチ。レーザービームで18球返球した。「大きなフォームを意識した。遠投で体重が前に乗るようになりました」と効果も実感した。

 「1軍で活躍している投手と一緒に投げることは勉強になる」と、ダルビッシュの凄さを肌で感じたからこそ自分で考え、ブルペンの一時離脱を選んだ。「ここからピッチを上げるのではなく、打者との感覚を確かめながら投げていきたい」。10日にはフリー打撃登板、その後も実戦が続く。黄金ルーキーがいよいよ戦闘モードに入った。 

 ▼日本ハム・吉井投手コーチ (遠投は)斎藤本人の希望。投球のバランスを見て、遠投で強く投げてからもう1回投げたいとなった。フォームは変わっていないが、本人の中で見えない部分の感覚が変わったのだろう。

 ▼西武・根本スコアラー (斎藤の投球を初視察)ブルペンの横では球筋も分からないし評価はまだ。きょうは姿形を見たからそれでよし。まずは実戦で投げてからだね。

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