上下20センチの差で違う 岩村「長距離打者になるのも難しくない」

[ 2011年2月7日 07:28 ]

現在の楽天・岩村の構え・正面

 その適応能力の高さこそが最大の武器だ。上下20センチの差で打球は驚くほど伸びる。楽天・岩村が、新天地でグリップの位置を高く上げるフォームにモデルチェンジした。

 5年ぶりの日本球界復帰。出塁率を求められたメジャー時代から、星野構想では5番など中軸打者を任される。必要なのは長打。岩村は球をすくい上げて飛距離を出す選手と違い「上から球を強く叩いて打球に角度をつけ、遠くへ飛ばすのが自分の打撃」と語る。飛距離を出すには(1)スイングスピードを上げる(2)打球に角度をつける(3)逆回転のスピンをかける、の3要素が必要との考えだ。

 グリップ位置を高くすれば、球をとらえるまでの距離は長くなる。位置エネルギーが大きくなることでより加速し、多くのスピンをかけられる。この日のフリー打撃では右翼へ柵越えを放つと、中堅から左翼方向へも大きな打球を飛ばした。新フォームに着手して間もないが、長距離砲へのモデルチェンジは着々だ。

 岩村はヤクルト時代の04年に44本塁打を記録。しかし07年にレイズへ移籍すると主に先頭打者を任された。メジャー独特の動く球と外角に広いストライクゾーンに対応するため、スタンスもオープンからクローズに矯正。米国の野球に適応したが、一方で本塁打は4年間で計16本だった。

 求められる役割に応じて、打撃を自由自在に変化させられる。「タイミングとポイントさえ一緒なら、長距離打者になるのも難しくない」。適応力の高さこそが、岩村にとっての匠(たくみ)の技だ。

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