2軍スタートの城島“自転車出勤”キャンプイン

[ 2011年2月2日 06:00 ]

自転車で宿舎と球場の往復をした城島

 オフに左膝半月板の縫合手術を受け、2軍の安芸キャンプから再起を期す阪神・城島健司捕手(34)が1日、“自転車出勤”でキャンプインした。安芸市内の選手宿舎「ホテルタマイ」から安芸市営球場までの2キロを自前のマウンテンバイクで快走。グラウンドでもランニングを披露するなど奇跡の3・25開幕マスクへ好スタートを切った。

 圧巻のパフォーマンスでド肝を抜いた。黒のニット帽にサングラス、背中には迷彩柄のリュックサック。全身黒ずくめの男が弾丸の走りで朝の街を駆け抜けた。平坦コースから一転、最後の直線は急な坂道。2軍宿舎からマウンテンバイクで現れたのは城島だ。到着タイムはチーム断トツの午前7時58分。ジョーにしかできない芸当でキャンプ初日を迎えた。

 「トレーニングの一環というか、距離も近いですし、アップがてら。早く来て早く帰るためのトレーニングですよ。皆さん、僕が朝早く来ていっぱい練習していると思ったら大間違いですよ」

 テレビカメラ10台を引き連れた城島は豪快に笑い飛ばした。宿舎から安芸市営球場まで約2キロ。マウンテンバイクで国道55号線を並走する漆黒の男を誰がジョーと認識できただろう。「誰にも気付かれてません。(宿舎の)下でファンが待ってたんですが、その人にさえ無視されました。誰やろう?と」。約10万円の「ジャイアント・マウンテンバイクROCK1」を軽快に乗りこなす姿はまるでロードレーサーだった。

 野球人としての1日も充実を極めた。サブ球場では「3分間ウオーキング→5分間ランニング」を計3セット。合間にウエートトレを挟むと、本格的なキャッチボールも開始した。石原チーフトレーナーを相手に約30メートルの距離で42球の熱投。統一球の感触を初めて確かめた。「バッティングやキャッチボールのヒネリはまったく問題ないので、後は曲げ込みですね」と話すように、膝の曲げ伸ばしがスムーズになれば、早期のブルペン入りも一気に現実味を帯びてくる。

 猛虎移籍初年度の昨年も沖縄でアーリーワークを導入。キャンプ地一番乗りは2年連続だ。「もう17年目にもなると、どこで2月1日を迎えようが、開幕までの日数は一緒。そこまでの逆算というのは十分できています。場所はどこでも自分のやることは変わらない」。第2クールからバットスイングも解禁する。いざ3・25開幕マスクへ。充実の5時間トレでスタートを切った城島は着実に歩を進めている。

続きを表示

2011年2月2日のニュース