斎藤 イチローに「下心」も「無理でした」

[ 2011年1月31日 06:00 ]

自主トレを終え観客席のファンに手を振る日本ハムの斎藤佑樹

 夢の競演で自主トレを締めくくった。日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手(22=早大)は30日、マリナーズのイチロー外野手(37)と都内で約2時間の極秘合同トレを行ったことを明かした。同じマネジメント会社に所属する縁で実現。プロ入り後、初めてフリー打撃の投手を務め、「世界のイチロー」相手に約30球を投げた。レーザービームも体感するなど、イチ流のエキスを注入された黄金ルーキーは、31日にキャンプ地・名護に入る。

 高ぶった気持ちを抑えきれなかった。鎌ケ谷での自主トレ最終日。キャッチボールを始めた斎藤が、あっという間に距離を延ばす。自主トレ最長となる約100メートルの遠投。ノーステップでも投じた。慎重な調整を続けてきたはずが、突然のペースアップ。その理由を満面の笑みで明かした。

 「午前中に体を動かしてきたので。イチローさんと練習してきました」

 先月、イチローが所属するマネジメント会社「バウ企画」と契約。「イチローさんがよろしければやってみたい」と話していた合同トレが、キャンプ地へ旅立つ前日にイチローからの誘いで実現した。早朝に勇翔寮を抜け出し、向かった先は神宮室内練習場。合流すると、ランニング、キャッチボール、ノック、打撃練習と約2時間、一緒に汗を流したという。「動きの一つ一つが一流だなと。さすがだなと思いました。純粋に楽しかったです。夢のようでした」と目を輝かせた。

 フリー打撃では打撃投手も務めた。プロ入り後、初めて対峙(たいじ)した打者が世界のイチロー。これ以上ない相手との対決に心は躍った。「多少、下心はありました。打ち取ろうと。でも無理でした。全部当てられました」。変化球を交えて約30球。極度の緊張感の中でも「イチローさんと(対戦)できたのは光栄だし財産になる」と振り返った。

 <イチローの合同自主トレ中の対決>

 ☆オリックス・小松聖(09年1月29日・スカイマーク) WBCを控え、小松が対決を志願して実現。28球を投げて安打性の当たりは8本で柵越えは1本。

 ☆レッドソックス・松坂大輔(09年2月5日・スカイマーク) イチローからの誘いでWBC連覇のキーマン2人が合宿直前に直接対決。松坂はすべて直球を投げ、43球中安打性の当たりは10本。

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2011年1月31日のニュース