元オリックス投手 第2の人生は「ぜいたくな仕事」

[ 2011年1月11日 10:32 ]

 昨季限りで4年間のプロ生活にピリオドを打ったオリックスの仁藤拓馬さん(22=島田商高出)が、今年から同球団のスコアラーとして第2の野球人生をスタートさせた。すでに兵庫県神戸市の球団事務所でスタッフとの初顔合わせも終え「まずは仕事を覚えることが最優先。チームが勝つために、良い情報を届けられるよう頑張ります」と声を弾ませた。

 担当は「先乗りスコアラー」。チームには帯同せず、次に対戦する相手の試合をチェックし、データや情報をチームに伝える。チームの勝敗に影響する重要な役割だが「じっくり野球を見ることなんてなかったし、ぜいたくな仕事」と話す。

 現役時代は入団3年目の09年に開幕1軍入りし、プロ初登板も果たした。しかし、その当時から精神的ストレスなどが原因で起きる過敏性腸症候群発症に悩まされ「思い切り投げられなくなり、野球が楽しくなくなった」という。昨年10月末、球団から来季は契約しないことを告げられた時は内心「ホッとした」と本音を明かした。

 1軍の実績もない選手が球団職員として残れるのは珍しい。仁藤さんは「いろんな人に助けられているし、感謝している。恩返ししたい」と表情を輝かせた。 

 ▼仁藤 拓馬(にとう・たくま)1988年(昭63)7月13日、島田市生まれの22歳。島田三小3年の時に島田イースタンで野球を始める。島田二中―島田商高。高校3年春の県大会で優勝、夏は県3回戦敗退。06年高校生ドラフト4位でオリックス入団。1メートル83、80キロ。右投げ右打ち。家族は母と姉、兄、祖父母。血液型A。

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