父は元ヤクルト投手!巨人にバリバリメジャー右腕

[ 2011年1月8日 06:00 ]

巨人入りが決まったロイヤルズのブライアン・バニスター投手

 現役バリバリのメジャー右腕を獲得だ!2年ぶりのV奪回を目指す巨人が、ロイヤルズからFAになったブライアン・バニスター投手(29)を獲得したことが7日、分かった。1年契約の年俸1億5000万円で、背番号は20。8日にも正式に発表される。昨季は夏場以降に先発陣が崩壊して3位に低迷しただけに、06年から5シーズンでメジャー通算37勝の右腕は、覇権奪回に向けて心強い戦力となる。

 V奪回を目指す原巨人に、これ以上ない戦力が加わる。バニスターは06年にメッツでメジャーデビュー。ロイヤルズに移籍した07年は12勝をマークし、新人王争いを演じた実力派右腕だ。ロ軍は7年連続勝率5割以下の弱小チームとあって、08年以降は2桁勝利こそないが、ローテーションの一角として昨季も7勝を挙げた。150キロを超す直球にツーシーム、カットボール、カーブ、チェンジアップなど多彩な変化球を織り交ぜた巧みな投球術が武器だ。

 父フロイドはメジャー通算134勝を挙げ、90年にはヤクルトでもプレー。巨人では昨年12月に獲得したライアルに続く「父子助っ人」となり、本人も日本行きを前向きにとらえているという。すでに映像などでセ・リーグの強打者たちの研究も始めるなど性格は真面目。年齢もまだ29歳と若いのが魅力で、日本でも成功する可能性は高い。期待の表れから、背番号は、88~89年に同じく大物メジャーリーガーとして来日したガリクソンも背負った20に決まった。

 巨人の今オフの補強ポイントは先発投手だ。昨季は内海が開幕5連勝、東野が前半戦だけで11勝を挙げたが、ともに夏場以降に失速。シーズンは3位に低迷し、柱となる投手が不在だったポストシーズンでも中日に敗れて日本シリーズ進出を逃した。すでに原監督は今季の開幕投手について「うちに決定的な力がある投手はいない。沢村?十分にチャンスはある」とドラフト1位右腕の名前も挙げて横一線を強調している。メジャー通算37勝と実績抜群のバニスターが加入すれば、内海、東野、朝井、久保ら現有戦力への刺激にもなる。

 球団は今季から外国人についても「完全競争主義」を掲げており、1軍クラスの投手はバニスター、ゴンザレス、グライシンガー、トーレス、抑え候補のアルバラデホの計5人。1軍の外国人投手の枠は「3」だけに、2月の春季キャンプから例年にはない競争意識が芽生えることは確実だ。

 球団はシーズンが開幕するまで戦力補強の可能性を探っていく方針で、あす9日には清武球団代表が渡米して情報収集を行う。「日本一になることが目標」と2年ぶりの日本一奪回を最大の目標に掲げている原監督。頂点を極めるための戦力が、もうすぐ整う。

 ◆ブライアン・バニスター 1981年2月28日、アリゾナ州スコッツデール生まれの29歳。南カリフォルニア大から03年のドラフト7巡目でメッツ入りし、06年にメジャーデビュー。ロイヤルズに移籍した07年には12勝9敗、防御率3・87をマークして新人王投票で3位にランクされた。メジャー5年間通算で35勝50敗、防御率5・08。昨季年俸は230万ドル(約1億9300万円)。1メートル85、98キロ。右投げ右打ち。

 ◆フロイド・バニスター 1955年6月10日、米サウスダコタ州生まれの55歳。76年ドラフト1巡目(全体1位)でアストロズに入団。マリナーズ、ホワイトソックスなどで2桁勝利を8度マークし、82年はア・リーグ最多の209奪三振。90年にヤクルト入りしたが、左肩の故障もありわずか3勝で6月に解雇。翌91年からメジャーに復帰した。メジャー通算15年間で134勝143敗、防御率4・06。左投げ左打ち。

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