箱根駅伝Vが刺激…大石「苦手な長距離頑張る」

[ 2011年1月7日 06:00 ]

入寮を終えた大石は、さっそくキャッチボールを行う

 西武のドラフト1位・大石達也投手(22=早大)が6日、他の新人5選手とともに埼玉県所沢市の若獅子寮に入寮した。大学時代の抑えから先発へ転向する右腕は不安を口にしながらも、スタミナ強化へ苦手の長距離走に積極的に取り組む覚悟。同じ早大スポーツ科学部で、3日の箱根駅伝でアンカーを務め早大を総合優勝に導いた友人の中島賢士主将から刺激を受け、ローテーション定着を目指す。

 正直な感想を口にしながらも、大石の胸には覚悟が宿っていた。プロ入り後は大学時代のストッパーから先発への転向が決定。黄金ルーキーは「(先発は)まだやっていないので、不安しかないですね」としながら「周りを見て学んでいきたい。長距離走は苦手なのですが、箱根駅伝からいい刺激をもらったので。自分も頑張ろうと思いました」。エンジのたすきが描いた軌跡が、その脳裏に焼き付いていた。

 特に最終10区を走った中島は同じ学部ということもあり友人。「最後は親戚の家へ行く途中、ラジオで聴いていました。中島とは面識もあるので」と新年早々、力をもらった。西武の新人合同自主トレは長距離走中心で知られ、福岡・太宰府西中の1年先輩の野上からは「とりあえず走るからきつい。覚悟しときな」と言われたという。先発転向へ、スタミナ強化こそが何より必要。箱根路の芦ノ湖ならぬ、西武ドーム近くの狭山湖を駆け、土台を築くつもりだ。

 将来のエースとの期待から、寮では涌井が新人から2年間過ごした部屋が用意された。大石自身「目標とする選手は涌井さん」と公言する偉大な先発完投型のエース。渡辺監督もこの日、あらためて「先発は未知数だが、できるということで獲っている。どれだけついてこられるかは、これから見てからだね」と期待感を口にした。指揮官は9日から始まる新人合同自主トレを視察予定。目の前で伝統の厳しい練習を課し、とことん下半身をいじめ抜く考えだ。

 入寮後、すぐさまランニング、キャッチボールと汗を流した大石。「開幕1軍を目指してしっかりアピールしたい」と即戦力右腕には控えめな目標を掲げたが、その第一歩は狭山路での疾走から始まる。

 ▼早大競走部・中島賢士駅伝主将(大石とは)2年時の体育の授業が一緒で、他の野球部員を介して仲良くなった。ずっと注目されているし、同学年に凄い選手がいっぱいいるので大変だと思うけど、その選手たちに負けないように頑張ってほしい。所沢は早大から近いし、学生もたくさん応援に行くと思うので、励みにしてほしい。

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2011年1月7日のニュース