金本“都合のいい男”になる「好きなところで好きなように」

[ 2011年1月3日 10:44 ]

 落とし穴は昨季開幕前だった。阪神の金本は練習中に同僚選手と衝突し、右肩を負傷。これが順調にトレーニングを積んできた金本に大きな影を落とす。

 全イニング出場が1500試合目前に迫っていた昨年4月17日。敵地の横浜戦で地面にたたきつけるような送球で失策を記録した。「鉄人」の右肩が思うように動かないことは明らかだった。
 翌18日。直前までテーピングを施してのプレーを試みるなど出場の道を探った末に、自ら決断を下す。「これ以上出てもチームに迷惑を掛ける。勝つための手段として僕は外れますと言った」。この瞬間、1999年に始まったフルイニング出場は1492試合で止まることが決まった。
 優勝を争ったチームは勝負どころで勝ち切れずに2位。巨人とのクライマックスシリーズ(CS)では1勝もできないまま、敗退した。金本はCS最終戦では出番すらなく、シーズンを終えた。自身が「選手生命の危機じゃないかというくらいの大けが」とした右肩は一年を通じて、尾を引いた。関係者によると、痛みで目を覚ますこともあったという。
 取得したフリーエージェント権は行使せずに残留を決めた。「好きなところで、好きなように使ってほしい。6、7番でも。都合のいい男で」。決意を新たにした金本は、再び輝きを放つことができるか―。

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2011年1月3日のニュース