「燃え尽きたものがない」挑戦続ける工藤 30年目のユニホームは…

[ 2011年1月3日 10:50 ]

 一年一年が勝負のプロ野球選手。年を取るほどに進退判断を迫られる。それぞれのベテラン選手が選んだ道とは―。

 16年ぶりに西武に復帰した工藤は、1年で戦力外となった。昨年9月に通告を受け、家族と相談した結果、「燃え尽きたものがないので、まだ野球をやりたい」との自分の気持ちに素直に従い、現役続行を決断した。
 けがに苦しめられた1年だった。キャンプで初めてブルペンに入ったのが2月9日。これまでのプロ野球人生で一番遅かった。左ひじの炎症で3月上旬に1軍を離れ、調整の日々に。「原因がはっきりすれば悩まないが、痛み止めを飲んでも(痛みが)引かなかった」。引退が頭をよぎったこともあった。
 球宴前にようやく昇格したものの、好結果を残せない。1軍にいたのは約1カ月で、10試合に登板して0勝2敗、防御率10・50。自分が納得する球を投げられるようになったときには、1軍のマウンドにいなかった。「僕から野球を取っても何も残らない。もっと知りたい、経験したい気持ちが強かった」と47歳は言う。
 12月に入っても、所属先は決まっていない。それでも、いつチャンスが巡ってきてもいいように、体を動かし続けている。米国でトライアウトに挑戦する可能性についても「1、2月になるなら、行くかもしれない」とし、韓国や台湾でのプレーも視野に入れる。節目のプロ30年目は、どんなユニホームに袖を通しているのだろうか。

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2011年1月3日のニュース