岩村“生涯楽天”宣言!「骨を埋める覚悟」

[ 2011年1月1日 06:00 ]

生涯楽天を宣言し、喜愛十分の岩村

 岩村のその口調に迷いもよどみもなかった。「楽天に骨を埋める覚悟。仙台に1日も早く住んで溶け込みたいと思っているし、ここで野球を終わっていいと思っていますから。そういう覚悟で入っている」。

 順調なら来季中に国内FA権を、2年契約最終年(3年目は球団側に選択権)の再来年途中に海外FA権を取得する。その時点でまだ33歳。しかし、メジャー復帰や古巣ヤクルトなど他球団へ移籍する選択肢は全く浮かんでいない。星野楽天を日本一に、常勝軍団に導く。使命を成し遂げるため、必要なものを米国の4年間で身に付けた。
 「メジャーに行くまでは“振り回せばいい”みたいな感覚は確かにあった。そこから“それだけじゃない”と。脇役がいて初めて成り立つという部分をすごく実感した」
 日本では3番が主だったが、米国では1番と下位打線が中心。長打を捨てて出塁率を上げ、08年レイズのリーグ優勝に貢献した。さらに、8、9番を打って日本の連覇に貢献した09年WBC。「還すときは還すし、つなぐときはつなぐ。チャンスメークするときはする。勝つことに目標をあてて、そこから逆算をする」。日米14年間のプロ人生で、自身が未経験なのは4番だけ。楽天・田淵ヘッド兼打撃コーチが岩村の4番起用も示唆する中、「打ってみたい気持ちはあるけど、(山崎)武司さんがいる。僕が4番に入ったら、多分にやけて打てない」と冗談めかしたが、直後には「1番だろうが8番だろうが4番、5番だろうが、やることに変わりはない」。あらゆる打順で機能できる打撃を築き上げた自負がある。
 守備でもメジャーで二塁転向を経験し、幅が広がった。楽天では三塁手としての出場が濃厚も「二塁を守れるオプションがあった方が、チームにはプラスになる。自分の価値は二塁をやることで上がったと思う。だからこそ、そこは継続してやっていきたい」。ワールドシリーズ進出、WBC連覇、コンバート、通訳なしでの3A生活…。その経験すべてが、来季の楽天に注入される。

 ≪寒さ対策も重要≫岩村は今季の最重要課題に寒さ対策を挙げた。楽天は開幕となる3月25日から2カード連続でロッテ、ソフトバンクを相手にKスタ宮城で戦う。「一番気をつけなきゃいけないのは春先の仙台の寒さ。最初のうちにケガをしてしまったらどうしようもない。1年間出られる状況を保つことが、満塁本塁打を打つよりも大事」と表情を引き締めた。米国で極端な寒暖の差は体験したものの、フルシーズンを戦ったレイズの本拠地は温暖なフロリダ州。左膝を痛めた過去もあるだけに、序盤を無事に乗り切ることが鍵となる。

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2011年1月1日のニュース