アスレチックスが岩隈の交渉権!松井とW獲りも…

[ 2010年11月10日 06:00 ]

アスレチックスについて印象を語る楽天・岩隈

 大リーグ機構は8日(日本時間9日)、ポスティング・システム(入札制度)でメジャー移籍を目指していた楽天・岩隈久志投手(29)の独占交渉権を獲得したのがアスレチックスと発表した。ア軍地元紙ではエンゼルスからFAとなった松井秀喜外野手(36)の獲得についても言及。日本を代表する投打の「W獲得」の可能性も浮上した。今後は30日間の交渉期間が設けられているが、岩隈は早くもマリナーズ・イチロー外野手(37)との対戦を熱望した。

 あこがれの舞台が現実のものとなってきた手応えが、岩隈にはあった。独占交渉権を獲得したアスレチックスについて右腕は「とりあえず一歩前進。(チームに)興味が出てきた。これから少しずつ調べていきたい」と、練習に訪れたKスタ宮城で笑顔。今後はア軍と30日間の独占交渉に入る。年俸面などをめぐって交渉は長期化する可能性もあるが「交渉がうまくいくことを願うしかないですね」と祈るような表情を見せた。
 そんな岩隈に強力な援軍が現れる可能性が浮上した。ア軍は今回1500万ドル(約12億1500万円)とも言われる金額を投じて岩隈の独占交渉権を獲得した。だが「投高打低」のチームにとって、今オフ補強の最重要課題は打線強化でもある。今季本塁打数はリーグ14球団中13位の109本。得点もリーグワースト4位の663点だった。DHと外野を守れ、主軸を打てる選手を探しているが資金力に乏しいため、うち1人は交換トレードで獲得を予定。もう1人をFAで補強する方向で、そこで挙がってきたのが松井の名前だ。
 ア軍地元紙のサンフランシスコ・クロニクル(電子版)は8日付で、岩隈と松井のダブル日本人獲りの可能性について言及。ア軍はこれまでも松井の獲得に興味を示していたが、同紙は「松井は全盛期を過ぎたかもしれないが、依然相手に脅威となる打棒を持っている。中軸を担う選手として力を発揮できるかもしれない。岩隈加入によってこのチームが、松井には移籍先として魅力的に映るだろうか」と報じた。
 松井自身もア軍について、同紙の取材に「オファーが来れば拒む理由はない。悪い印象はない」と答えている。高額年俸が予想されるトップ級のFA選手獲得へは動かないと断言しているア軍だが、スポーツ専門局ESPNの電子版では同日付で松井の来季年俸は今季の600万ドル(約4億8600万円)と予想されており問題はない。
 岩隈が投げ、松井が打つ。来季のオークランドで日本のファンにとってたまらないシーンが実現するのか。今後の動きが注目される。

 ▽岩隈とゴジラ 岩隈がプロ2年目の01年に日本シリーズに出場したのに対し、松井は巨人で00、02年とすれ違い。オープン戦や球宴、日米野球など公式戦以外でも対戦はない。しかし、02年の日米野球ではチームメートとなり、第6戦で先発した岩隈は4回7失点で敗戦投手。4番・中堅の松井は5打数1安打に終わった。

 ▽オークランド・アスレチックス フィラデルフィアを本拠地として、1901年のア・リーグ創設から参加。カンザスシティーを経て68年からオークランドに移転した。1901年から50年間指揮したコニー・マック監督の下、ワールドシリーズ制覇5度。通算9度の世界一はヤンキース(27度)カージナルス(10度)に次ぎ3位。データを活用するビーンGMの手腕もあり、2000年以降は地区優勝4度。日本人選手は藪恵壹投手、岩村明憲内野手が在籍した。本拠地はオークランド・コロシアムで収容3万4077人。

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2010年11月10日のニュース