大場“ホーム”で早くも球団新の16K

[ 2008年4月6日 06:00 ]

<ロッテ・ソフトバンク>16三振を奪った大場は完封で2勝目をあげた

 【ソフトバンク3―0ロッテ】“平成の鉄腕”が、第2の故郷で圧巻の奪三振ショーを演じた。ソフトバンクの大場翔太投手(22)は5日、ロッテ戦に先発し、9回を4安打に抑え、今季2度目の無四球完封勝利で2勝目。最速146キロの直球が走り、球団記録を68年ぶりに塗り替える1試合16奪三振をマークした。7者連続三振、全員奪三振など記録ずくめの快投で、レギュラーシーズンではパ相手に16連勝中だった“成瀬神話”もストップさせた。

【試合結果


 大場にとっては“ホーム”だった。ヒーローインタビューの音声が流れず、三塁側席から「聞こえない」コールがわき起こる。すると、左翼席、ネット裏も巻き込む大合唱となった。フィールドシートの観客とハイタッチ。本拠地さながらのファンサービスで喜びを分かち合った。
 「きょうは気持ちだけ前に出して、思いきって投げた。真っすぐが良かった。球団新の16奪三振?うれしいです」
 初回、先頭の早川を空振り三振に斬ると、2死一塁のオーティズから3回まで7者連続。高めに浮き上がるような直球と鋭いスライダーでロッテ打線をねじ伏せる。7回まで毎回の15個。最後はペースダウンしたが、9回1死では根元から16個目を奪い、プロ3試合目の新人が球団記録を68年ぶりに更新。90年に野茂(当時近鉄)が樹立した新人記録にあと1と迫る奪三振ショーとなった。
 全員奪三振は史上3人目で新人では初の快挙。3試合で29奪三振は日本ハムのダルビッシュ(26)を抜いてリーグトップに立った。それでも本人は「三振というより、厳しいところに腕を振って投げた」と涼しい顔だ。
 千葉マリン特有の風も計算済みだった。同球場は八千代松陰高3年時の関東大会で桐生(群馬)を完封するなど登板経験も豊富。「風?気になったことはありません」。2回と5回に里崎に完ぺきに運ばれた左翼ポール際への大飛球は、風に押されファウルゾーンへ。風までも味方につけた。
 30日の西武戦(西武ドーム)では1イニング3被弾で初黒星を喫したが、うち2発は初球。初の中5日登板は、2度のブルペンの合間に前回のVTRを再確認。宿舎で女房役の田上と「初球から勝負球で」とミーティングした通り、狙い通り打者30人に対し、約半分の14人に初球ボールで入った。初球は細心に、追い込んでからは大胆に。王監督も「攻めのピッチングの典型だったね」と連敗を2で止めた“孝行息子”を絶賛した。
 「3年間、野球をした場所で、こういう結果を出せて良かった」。高校時代を過ごした千葉で、大場は無四球完封勝利したデビュー戦以上のインパクトを与えた。

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2008年4月6日のニュース